子どもごころ
Child Mind / Immature Emotional Stage
大人の中に生きている「子どもごころ」の正体
「さあやろう」と思った瞬間に、急にやる気が消える。
「わかってる、でも動けない」という繰り返し。
大切な人についつい甘えすぎて、あとで後悔する。
「なんで私はこうなんだろう」と、何度も自分を責めてきた。
それは、意志が弱いのでも、性格が悪いのでもありません。
あなたの中に「子どもごころ」が生きているからです。
子どもごころとは
「子どもごころ」とは、幼い頃に傷つき、成長が止まってしまった感情の部分のことです。
年齢は大人になっても、感情のある部分は1歳半〜6歳のままで止まっています。その部分が、ある刺激をきっかけに「起き上がり」、当時の子どものように反応し始めます。
「胎児期〜6歳の感情発達」で詳しくお伝えしているように、人の感情の土台は6歳までに形成されます。その過程で十分に感じられなかった感情、傷ついたまま癒されなかった記憶が、大人になっても「子どもごころ」として残り続けます。
感情には「年齢」がある
ここで、とても大切な視点をお伝えします。
感情には「年齢」があるということです。
人は年齢とともに体は成長しますが、感情は必ずしも同じように成長するとは限りません。幼い頃に強いストレスや傷つきがあると、その時の感情の部分がその年齢のままで止まってしまうことがあります。
たとえば——
- 生後6ヶ月ごろの強い不安
- 1歳前後の依存や後追い
- 2〜3歳の「イヤ!」という反発
- 4〜6歳の拗ねや嫉妬、競争心
これらは本来、成長の過程で自然に通過する感情です。しかし、そのとき十分に受け止められなかった感情は「未完了のまま」残ります。そして大人になったあとも、似た状況になるとその年齢の感情が動き出します。
大人の出来事に、子どもの感情が反応する
たとえば——
パートナーが少し冷たくしただけで、強い不安に飲み込まれる。
仕事で注意されただけで、激しく傷ついてしまう。
思い通りにならないと、怒りが爆発する。
これは「性格」でも「意志の弱さ」でもありません。その出来事に対して、幼い頃の感情が反応しているのです。
つまり、大人の出来事に子どもの感情が反応している——これが子どもごころの正体です。
「今、私は何歳の感情で動いているのだろう」
この視点が持てるようになると、自分への責めが減ります。人間関係の衝突が減ります。子どもへの関わり方も変わってきます。
子どもごころはどんな形で現れるのか
やる気の妨害
「今日こそやろう」と思った瞬間に、急に眠くなる。スマホを見始めてしまう。おなかが空く。別のことが気になる。
これは怠けではありません。1歳半〜3歳の子どもごころが「嫌だ、やりたくない、もっと遊びたい」と邪魔をしているサインです。
依存と甘え
特定の人に「もっとかまって」「もっと連絡して」「なぜ来てくれないの」と過度に求めてしまう。求めすぎて、相手が離れていく——このパターンを繰り返す方も多いです。これは生後6ヶ月〜1歳半の感情が、大人になった今も動いているサインです。
拗ねと反発
批判や注意を受けると、素直に受け取れずにむくれる。謝れない。自分の非を認めるより、相手のせいにしたくなる。3歳〜6歳の子どもごころが動いていることがあります。
感情の爆発・癇癪
「なぜあんなに怒ってしまったのか」と後悔するほどの怒りが出てきてしまう。ちょっとしたことで傷つき、相手を激しく責めてしまう。この怒りの奥には、もっと深い感情が眠っていることがあります。
→ 原初の怒りとは
子どもごころが「人生の運転席」に座っている
問題は、子どもごころがあること自体ではありません。
子どもごころが人生の「運転席」に座ってしまうことが問題です。
3歳の子どもが車を運転したらどうなるか——嫌なことがあれば逃げ、欲しいものがあればすぐ手を伸ばし、気に入らなければ怒る。当然ながら、人生はうまく回りません。
本来、運転席に座るべきは大人ごころです。大人ごころが状況を理解し、感情を整理し、必要な行動を選ぶ。その上で、子どもごころの感情を受け止める——この順番が整うと、人生は安定していきます。
子どもごころは「癒す」だけでは終わらない
多くの心理療法では「インナーチャイルドを癒す」ことがゴールのように語られます。
でも、私はそこで終わりとは考えていません。
なぜなら、癒された子どもごころは、まだ”子ども”のままだからです。
癒されたあとには、「躾け、育てるプロセス」が必要です。子どもごころを叱りつけることでも、甘やかすことでもなく——大人ごころが育つことで、子どもごころの感情を理解し、受け止め、必要な行動へと導けるようになる。
これはまさに、自分の中で「子育て」が始まる状態です。
感情にも「教育」が必要
私たちは勉強の仕方、仕事のやり方、人間関係のマナーは学びます。
でも、感情の扱い方を、誰からも教わっていません。
怒り・拗ね・嫉妬・依存・不安——これらはすべて、扱い方を学んでいない感情の反応です。だからこそ、子どもごころを理解し大人ごころを育てる「感情教育」が必要なのです。
セラピストとして、母として
3人の息子を育てながら、私自身も何度も「子どもごころ」に足を引っ張られてきました。
「さあやろう」と思った瞬間に動けなくなる。大切な人に甘えすぎて後悔する。なぜあんなに怒ってしまったのかと、翌朝一人で落ち込む——そんなことを繰り返してきました。
子育ての中で、子どもの「言うことを聞かない」姿に向き合い続けた時間が、逆に私の子どもごころを気づかせてくれました。「あ、この子は今、何歳ごろの気持ちで動いている」——それが見えてくると、怒りではなく、関わり方が見えてくる。それは、自分自身のパターンを見る時にも、同じことが言えます。
1万件を超えるセッションの中で、子どもごころと向き合い、大人ごころへ育っていった方をたくさん見てきました。何歳からでも、必ず変われます。
心理セラピスト 西谷真美
次のステップへ
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