存在価値の否定とは

存在価値の否定とは ― あなたの「居場所のなさ」の正体

「どうして私はこうなんだろう」と、自分を責めてきた方へ。
これはあなたのせいではありません。

どこにいても、自分の居場所がないように感じる。
輪に入っていけない。必要とされていない気がする。
「消えたい」「いない方がいい」という思いが、ふとした瞬間に湧いてくる。

これらは、バーストラウマの中でも「存在価値の否定」と呼ばれるパターンです。

胎児期・出産時・出産後の体験の中で、赤ちゃんが「私はいらない子」「私はお荷物」「私さえいなければ」という否定的な思い込みを持つことがあります。これは事実ではなく「勘違い」なのですが、その思い込みは心の深いところに刻まれ、成長してからも人生のあちこちに影響を及ぼし続けます。

居場所が見つからない、必要とされたい、輪に入れない、忘れられる存在、消えたい、空虚感 ―― このような感覚に覚えがあるなら、それは「存在価値の否定」のパターンかもしれません。

バーストラウマとは


胎児期に「存在価値の否定」が生まれるケース

産むのをためらった・いらないと言われた

「私はいらない子」という存在価値の否定を持ちます。どこにいても自分の居場所がない疎外感を感じ、輪に入っていきにくい場合があります。

手のかからないいい子になるか、逆に手のかかり過ぎる子になったり、子宮の中で、または生まれてから、体重が増えないこともあります。出産では、なかなか陣痛が起きないことがあります。

※ためらったこと、思ったこと自体は、誰も責められません。その時の状況で精一杯だったのです。


子ども・大人に現れるパターン

手のかからないいい子

「迷惑をかけてはいけない」と感じている子は、親に負担をかけまいと、驚くほど手のかからない子になります。一見問題がないように見えますが、感情を抑えている状態です。思春期、大人になってから、現れる場合があります。※以下のケース参照。

輪に入れない・疎外感・いじめ

「自分はいらない存在」という思い込みが、まるでそれを証明するかのような出来事を引き寄せることがあります。集団の中にいても、いつもどこか外側にいる感覚。「自分だけ違う」「自分だけ仲間はずれ」と感じます。

居場所が見つからない

職場、友人関係、家庭の中でさえ、「ここは自分のいる場所じゃない」と感じます。転職や引越しを繰り返す「放浪の旅」のパターンになることもあります。

必要とされたい

存在価値を感じられないため、人の役に立つことで自分の存在意義を確認しようとします。尽くしすぎて疲弊したり、依存の強い人の世話をすることで自分の価値を埋めようとすることがあります。

拒絶される過度の恐れ

拒絶されるのが怖いので、人から頼まれると断れません。相手にイヤな思いをさせるくらいなら自分が我慢しよう、と自分にウソをつきます。

消えたい・空虚感

「いない方がいい」という思い込みが根深いと、ふとした瞬間に「消えてしまいたい」という感覚が出てきます。「死にたい」とは少し違い、「存在していること自体が申し訳ない」という感覚に近いものです。

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体験から生まれたメソッド ― あるケースの話

40代の男性が相談に来られました。7人兄弟の末っ子。奥さんとお子さんが2人いる、ごく普通の家庭のお父さんです。

職場での居心地が悪く、人間関係がうまくつくれない。家族にもないがしろにされている感じがする。自分が帰宅すると、妻も子どもも蜘蛛の子を散らすようにそれぞれの部屋に消えてしまう。妻はしょっちゅう実家に帰っている。一生懸命働いているのに、まるでATMのような扱いを受けている――そんな悲しさと、こんな自分がなさけない、という思いを抱えていました。

幼少期の話を聞くと、保育園のお迎えを家族に忘れられたことがある、と話してくれました。7人目の末っ子。産むのをためらったのかもしれない、と私は感じました。人生の中で何度も「あら、いたの」「存在感薄いね」「いてもいなくても同じだね」と言われてきたそうです。

バーストラウマを癒す胎内退行の誘導瞑想をおこない、自分の価値を認めるワークを行いました。

2回目のセッションにいらした時、まるで別人のようでした。

銀行の通帳を妻から取り戻し、家計を自分でしきり、離婚も視野に入れて動き始めていました。実家に帰ってしまった妻と子どもからギャーギャー言われても、「自分はほんとうによくやってきた。こんな扱いをされる筋合いはない」と、静かに、でも力強く凛とした態度で言えるようになっていました。

会社でも存在を認められ、仕事がしやすくなった、と笑顔で話してくれました。


― セラピスト自身の息子の話

私には3人の息子がいます。

次男が生まれたとき、夫は「もう一人はいらない」と言っていました。それでも私はどうしても2人目がほしかった。彼は自宅のお風呂の中で陣痛が進み、家族全員が見守る中、私自身の手で取り上げるという静かな誕生をしました。

次男は大胆で自由で、エネルギーにあふれた子でした。でも小さな頃から、家の中よりも外に居場所を求めるように、いつも外へ外へと出ていく。その明るさの裏側に、どこか「自分の存在価値を探しているような」繊細な影が、見え隠れしていました。

彼が高校2年のとき、それが表面に出てきました。

お弁当のおかずを友達にとられる。飲んでいた飲み物をとられる。部長になったのに、部員が言うことを聞いてくれない。そんなことが重なり、ずっとひとりで悩んでいたようです。私に心配をかけたくなくて、ずっと言えなかった、と後から話してくれました。

そのかわりに、何か困ったことがあるたびに、冗談っぽくこう言っていました。
「俺はいてもいなくても同じ存在だから~」

私はその言葉を聞いた瞬間、チャンスだと思いました。
次男にブリージングセラピーをしました。そして伝えました。

「みんなに見守られた中で生まれてきたのに、いてもいなくても同じ存在なわけないじゃない!」
言いながら私も泣き、次男も泣きました。その後、30分ほどひとりにしたら、いっぱい泣けたようでした。

翌日、奇跡のような出来事が起きました。
おかずをとっていた子が、逆においしいおかずをくれた。飲み物をとっていた子が、自販機で飲み物を買ってきてくれた…。

すべての人に当てはまるわけではありません。でも、このようなことは、セラピーの後によく起こります。内側が変わると、外側の現実が変わり始めるのです。

「いてもいなくても同じ」と感じていた次男が、「ここにいていい自分」を取り戻した翌日に起きた出来事でした。

自分の息子の中にこのパターンを見てきたからこそ、私は確信しています。存在価値の否定は、特別な家庭の話ではない。愛のある普通の家庭でも、静かに生まれてしまうものです。そして、何歳からでも、癒すことができます。

一家にひとり、チャイルドセラピスト。
そんな世界をつくりたくて、私はチャイルドセラピスト講座を広め続けています。


存在価値の否定は、癒せます

存在価値の否定は、胎児期・出産時・出産後の体験で生まれた「思い込み・勘違い」です。

何層にも重なった感情の下に潜んでいる「勘違い」に気づき、「本当は愛されていた」という真実に触れた時、心に平安と安心感が湧き上がってきます。

ずっと探し求めていた「居場所」は自分の中にあります。自分を愛してくれる人や環境を外に求め続けなくていい、ということを、心の底から実感できるようになるのです。

あなたが、お子さんが、どんな妊娠・出産を体験したとしても、誰も悪くないし、誰のせいでもありません。皆、その時できる精一杯をやっています。母体と赤ちゃんの命を大切にするために選んだ出産だったのです。

幼ければ幼いほど癒しは早く進みますが、何歳からでも可能です。

心理セラピスト 西谷 真美


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